8月21日(火)~8月28日(火)、職員のインターンシップ研修をニューサウスウェールズ州コフスハーバー市で実施しました。シドニー事務所では所長補佐の在勤期間中に管轄区域内の地方自治体等においてインターンシップを実施することとしています。今回は、当地と長崎県佐世保市の姉妹都市交流の様子について、また、当地における観光と産業にかかる取組を中心に研修を行いました。
同市はクレアシドニー事務所が日本の地方公共団体の取組の紹介等を行う「クレアフォーラム」を昨年度(2017年度)に開催した都市で、シドニーから約500キロ、ブリスベンから約400キロの距離に位置し、両大都市を往来する際の宿泊地としても人気の観光地です。また、1988年に佐世保市との間で姉妹都市提携をし、本年30周年を迎えました。
姉妹都市交流の様子については上記(8)で報告していますが、朝長則男佐世保市長ら佐世保市からの訪問団を温かく迎えていました。
観光、産業分野については、本インターンシップを受け入れてくれた産業観光開発課(Industry & Destination Development team)が参加するイベント及び同課が主催するセミナー等に参加しました。産業分野では、商工会議所が主催するビジネスイベントへのブース出展の補助を行ったほか、市が主催するマーケットの視察を行いました。ビジネスイベントについては、市内ホテルを会場に、同地域で事業を行っている関係者がブース出展し、それぞれどのような事業を実施しているかを紹介するというものでした。市ではコワーキングスペースを設置し、同地域で起業を考えている方のスタートアップを支援する「6 Degrees」という事業を実施しており、このビジネスイベントでも、この「6 Degrees」を積極的に紹介していました。本事業は、スタートアップ支援事業として複数の受賞歴があり、注目されている事業です。
また、市が主催するマーケットは、毎週木曜日の午前6時30分から午後2時30分に開催されています。観光客の来場も狙って土日に開催するのではなく、地元の人がリピーターとなるように平日に開催し地元業者との交流を促進する試みとなっています。市が管理している場所で開催するため、市としては経費がかからず、出展者も1回あたり34豪ドル(1ドル80円換算で約2,700円)で出展ができ、出展料は市の収入となります。また、マーケットの運営業務と出展者との調整業務を、臨時職員を雇用(週2日)して実施しています。
観光分野では、新規観光コンテンツの取材に同行し、また、市が主催する観光事業者等向けのセミナーへ参加しました。市が主催する観光イベントは、市内3か所で3日間に分けて実施され、その1日目の講演会に参加しました。狭い会場ではあったものの、用意した席は全部埋まり、講演終了後に軽食しながら意見交換をする時間も設けられていました。観光も含めた地域の産業の発展に向けて、市としても積極的に取り組んでいる様子でした。
これらの他、滞在中にはLGBTコミュニティやメンタルヘルスについて関係者等への聴き取りを実施し、さらに、市の組織体制等や観光産業分野における事業の考え方や予算について話を伺うことができました。
このように、オーストラリアの自治体組織の中で、様々な人と話をし、その仕組みを知ることができる大変有意義な1週間を過ごすことができました。今後、この貴重な経験で得た知見をクレアシドニー事務所内で共有するほか、日本の地方公共団体への活動支援にあたっても十分に活用していきたいと考えています。