3月15日(金)から17日(日)にかけて、シドニーの西約320kmに位置するカウラ市で、カウラ多文化祭が開催されました。このイベントは、国際理解をテーマとしたコミュニティイベントとして、1965年から毎年開催されています。毎年異なるゲスト国を選び、ゲスト国に関連したパレード、ステージパフォーマンス等を行うことで、参加者は様々な国の伝統・文化を体験し、理解を深めることができます。今年のゲスト国には日本が選ばれました。これは1966年以来2度目のことです。クレアシドニー事務所は、当イベントにブース出展し、カウラ市と平和友好交流を進める新潟県上越市をはじめとする日本の地方自治体のPR活動を行いました。
かつてカウラ市には、第二次世界大戦時に捕虜収容所が置かれていました。1944年8月5日、収容されていた日本人捕虜の脱走事件(カウラブレイクアウト)が発生し、231人の日本人捕虜と4人のオーストラリア衛兵が亡くなりました。カウラブレイクアウトの犠牲者の墓地は、戦後しばらく放置されていましたが、カウラ退役軍人会により維持管理されるようになり、その後、在オーストラリア日本国大使館、カウラ市、オーストラリア連邦政府の協力のもと、日本人戦没者墓地として適切に管理されています。今では、カウラ市は、オーストラリアと日本の良好な関係を象徴する街となっています。
本年は、カウラブレイクアウト75周年の式典が予定されています。上越市にもかつては第二次世界大戦における捕虜収容所があり、そこで多くの兵士が亡くなったという歴史があります。
クレアシドニー事務所は、平和を願う両市の交流を引き続き支援してまいります。