高知県から派遣されている谷本所長補佐がニュージーランドの林業などを学ぶため、8月5日(月)から14日(水)までの10日間、ファカタネ市でインターンシップを行いました。ファカタネ市が位置するベイ・オブ・プレンティー地方は第一次産業が盛んな土地柄で、主に林業について、ファカタネ市を中心に、ロトルア、カウェラウ、タウランガで、様々な取り組みを学ぶことができました。
ニュージーランドの林業を学ぶ過程で、実際に林業の収穫作業などを見学することができました。林道の幅員は日本の基幹林道と同じ4メートルであり、この道幅が収穫現場の末端まで整備されているため、大型トラックでの搬出が可能となり、山元の現場サイドで造材は行わず、プロセッサで枝払いのみ行い、全幹のまま土場まで運搬した後に玉切りを行うなど、日本とは異なる一連の工程に大きな刺激を受けました。
また、インターン期間中は、ファカタネ市の姉妹都市である群馬県渋川市の中学生が学校交流で同市を訪れ、ホームステイをしながらニュージーランドの文化を学んでいました。ファカタネ高校で開催された送別会では、渋川市の中学生が、笛の演奏や、けん玉遊びなどを披露し、英語で感謝の言葉を述べた後、ファカタネ市側からは、元JET参加者(秋田県ALT)が結成した太鼓チームのパフォーマンスが披露されました。とても迫力のある素晴らしい演奏でした。このチームはこの元JET参加者がJET終了後にニュージーランドへ帰国してから立ち上げたもので、メンバーは現在10人いるそうです。なお、初めて購入した太鼓は日本から空輸で自ら持ち帰ったそうです。
また、タウランガ市が高知県須崎市と姉妹都市であることから、同市のグレッグ市長を表敬訪問し、高知から世界に広がる「よさこい祭り」の話などをしました。
インターンシップ期間中は、ニュージーランドの第一次産業や地方行政に限らず、マオリ文化も色々と学ぶ機会があり、ホンギ(鼻と鼻をタッチする)での挨拶も経験しました。ニュージーランドの公用語が英語、マオリ語、ニュージーランド手話であるため、公共施設における表記は英語とマオリ語で併記されているものも多く、また、多くのマオリの人々と話す中で、ニュージーランドが目指す多文化共生についても深く学ぶことができました。
昨年の幹部セミナーへのファカタネ市職員の参加をきっかけとして、同市における今回のインターンシップの受け入れが実現しました。インターンシップを快く受け入れてくださったファカタネ市のトニー市長、充実したインターンシップを計画してくれたジェイニーさん、そして私をホームステイで受け入れてくれ、全ての機関訪問に同行してくださったファカタネ姉妹都市委員会のアンドリュー委員長に感謝するとともに、地方自治体職員として大きく成長させてくれたこの経験を活かし、これからもニュージーランドと日本の懸け橋となれるよう努めてまいります。