2月13日から19日にかけて、鈴木所長補佐がバロッサ市でインターン研修を行いました。この研修は、2016年全豪自治体協会年次総会で知己を得た同市の前副市長のScotty Milne議員にご紹介いただいた同市CEOのMartin MaCarthy氏のご配慮によって実現しました。
2月13日、MaCarthy氏に市役所の各部署を案内していただいた後、MaCarthy氏と市長公室のVincent Marsland氏からバロッサ市の概要について説明を受けました。その後、市所管の観光案内所を訪問し、観光課のJo Seabrook氏からバロッサ市の観光へのかかわり方や自転車の貸出事業であるThe Cycle Hubについて説明を受けました。
2月14日、現副市長のMichael Lange氏と面会し、今回の研修の趣旨を説明し、激励を受けました。その後、建設課長のAndrew Evans氏に案内していただき、観光分野として自転車専用道や自然公園、運動場、キャンプ場を、危機管理及び都市計画分野として河川堤防の新設・補修工事現場を見学しました。また、市内にある2つの現場作業事務所等も見学しました。
自転車専用道は、主要なワイナリーにアクセスできるようになっており、平日にもかかわらず実際に利用している人々が確認できました。
市内の案内の途中で、バロッサ観光協会のCathy Wills氏とミーティングを行い、バロッサ市における観光戦略について、説明を受けるとともに意見交換を行いました。同協会と市はそれぞれ独立した組織であり、人事交流等は行われていないが、市やバロッサワイン協会等と定例会議を行い、観光戦略等を決定しているほか、隣接している観光案内所とも随時協議を行っているとのことです。観光戦略としては、ブランド化を上げており、海外誘客の場合は英語圏をターゲットにしているとのことでした(非英語圏においても英語でプレゼンを行い、英語を理解できる少数の富裕層をターゲットにしているとのこと)。また、限られた財源・施設・人材を活用することで緩やかな成長を求めているとのことでした。
2月15日、バロッサワイン協会CEOのJames March氏と意見交換をした後、実際にワイナリーの経営するワイン販売所を訪れ、説明を受けました。訪問した当地最大規模のワイナリーでは、日本語を含め各種言語を話せるスタッフが常駐しており、団体観光客のオプションとして自分でワインをブレンドしてボトルに詰める体験も実施しているとのことでした。他方、自前の販売所を持つことが困難な小規模ワイナリーが共同で販売を行っている販売所も訪問しました。ここでは、訪問客に各ワイナリーのワインをテイスティングしてもらい販売を行うほか、レストランが併設されており、各ワイナリーの認知度にかかわらず集客できる仕組みになっていました。
また、昼食では、市のMaCarthy氏、ワイン協会のMarch氏、観光協会のWills氏と会食を行い、ワインツーリズムについて意見交換を行うとともに、派遣元の北海道の現状についての説明を行いました。
2月16日、市役所の各部署の部長又は課長とそれぞれミーティングを行い、担当されている部署の説明を受けるとともに、意見交換を行いました。
2月19日、16日のミーティングでは時間が足りなかったため、再度、財政課長のMark Lague氏、コミュニティサービス担当課長のTania Paul氏から次年度予算決定に向けた流れや図書館の利用状況等について説明を受け意見交換をした後、CEOのMaCarthy氏と一週間の総括をし、インターンを終了しました。
研修中は、バロッサ市CEOのMaCarthy氏のご厚意で、多くのスタッフ又は観光関連産業の方々をお会いさせていただきました。スタッフの方々には、地元又は同州出身の方が多くおり、自分達の地元を盛り上げていきたいという思いを口にする方々が多かったです。他方、観光戦略では、急激な成長を望んではおらず、州都のアデレードから車で1時間半という利便性の高さを活かした戦略を設定しているのが印象的でした。今回得た知見を今後派遣元に戻っても活かしていきたいと思います。