11月14日(水)から19日(月)にかけて、渡邉所長補佐が、オーストラリアにおける自治体の地域振興施策を学ぶため、ビクトリア州サーフコースト市を訪問しました。
サーフコースト市は、ビクトリア州で第2の都市であるジロング市から南に約20kmのところに位置する人口30,000人ほどの自治体であり、美しいビーチや多くの自然を有するとともに、QuiksilverやRip Curlといった有名サーフブランドの発祥の地として、サーフィンの世界大会が開催されるほど、サーフィンが盛んな街です。また、市の中心地区であるトーキーは、オーストラリアの国家遺産とされているグレート・オーシャン・ロードの起点の街です。
この訪問期間中、CEOであるKeith Baillie氏、General ManagerであるAnne Howard氏、Ransce Salan氏、Chris Pike氏、また経済・観光戦略担当課長のMatt Taylor氏から、市の地域活性化に関する取組について話を伺いました。
同市は、都市部に近いという立地と豊富な観光資源を大きな魅力として、多くの観光客や移住者を惹きつけており、ビクトリア州政府から特に今後の発展が期待される地区に指定されています。現在、人口増・観光者数増に対応するインフラ整備が喫緊の課題とされていますが、急速な地域人口の変化に対する各地域コミュニティの反応は様々であり、インフラ整備をはじめとする地域の発展に向けたプロジェクトの策定・実施に際しては、住民の意見をよく聞きながら進めることを重視しているとのことでした。そのため、オンラインでの住民からの市施策に関する意見の募集、若者への意識調査、また障がいを抱える人や高齢者のためのコミュニティサポート活動にも積極的に取り組み、地域住民との良好な関係を保っています。その他、農業、ごみ処理政策、環境政策にも積極的に取り組んでおり、幅広い分野における地域振興の考え方について伺う良い機会となりました。
また、サーフコースト市を含むグレート・オーシャン・ロードの周辺自治体の観光振興を行っているGreat Ocean Road Regional Tourismの会長であるLiz Price氏から、観光施策に関する現在の状況、今後の見通しなどについて話を伺いました。国内外から観光客が集まるグレート・オーシャン・ロードですが、ハイシーズンとオフシーズンの繁閑の差が大きく、日本のように四季に応じたアトラクションをPRしていくことが今後の課題であるとのことでした。また、オーストラリアの人々の特性として、気に入った場所には何度も訪問するということがあるため、国外より国内からの観光客を重視しているということが、とても興味深い点でした。
元市長であり、現在は市議であるDavid Bell氏には、市長在職中に今回の訪問の要請を温かく受け入れていただき、訪問期間中も、市内の各地域を案内していただき、それぞれの見どころについて紹介をしていただきました。
オーストラリアにおける自治体を視察し、またその取組を現地で学ぶことができる非常に有意義で貴重な機会となりました。(渡辺所長補佐)