2017年度のCLAIR Forumの概要
開催日 2018年2月5日(月)
テーマ 「自治体が取り組む地域振興施策について」
会場 Breakfree Aanuka Beach Resort
主催 クレアシドニー事務所
共催 シドニー工科大学公共政策研究所
協力 コフスハーバー市
1.“The Role of Local Government in Regional Economic Development”
UTSロバータ・ライアン教授が、地域経済の発展における自治体の役割について発表しました。地方における経済発展のために実施すべきことや目標、またオーストラリアの地方自治体における取組事例について紹介しました。
2.“Park Beach Lifestyle – Development Summary 2017-2018”
コフスハーバーで高齢者向け住宅の建設を担っているBachrach Naumburger Groupのスティーブ・グーレイ氏が発表しました。コフスハーバーでは今後高齢者人口の増加が予想されており、その受け皿となる住宅の建設を進めています。周辺には診療所やショッピングセンターがあり生活に便利な環境で整備を行っています。また流入してくるのはコフスハーバー近郊に住む人及び州内最大の人口を有するシドニーからが主となる予想しているとのことでした。
3.“Regional Revitalisation Activities in Kurihara City”
菅原所長補佐から宮城県栗原市における地域活性化の取組について発表しました。栗原市花山地区は、人口減少とともに高齢化が進み、現状の予想では今後数十年の間に集落が消滅する状況にあるというデータがあり、地域おこし協力隊の活動や大学との共同での取組、地域に人を呼び込むための宿泊施設開設といった取組について説明を行いました。
4.“Reutilisation of a Closed School in Tanabe City”
成田所長補佐から和歌山県田辺市における廃校を利用した取り組みについて発表しました。田辺市では国や自治体の支援を受け、廃校を活用し、レストランや宿泊施設、農業体験ができる施設が開設され、地域の活性化に貢献していることを説明しました。
5.“Regional Revitalisation – Tourism on the Coffs Coast”
コフスハーバーシティカウンシルのクリス・チャップマン氏が、コフスハーバーにおける観光客誘致について発表しました。コフスハーバー周辺地域は毎年180万人程度が訪れる全豪で11番目の観光地であり、半数以上(60%程度)がシドニーからの来訪者となっています。現在では、観光客への対応の向上(カスタマーサービスの向上)や、古くなった施設を改修するアップグレードプログラムを実施し、観光地として魅力的であり続けるための取組を実施しているとのことでした。
6.“Case Study: Regional Resources for Tourism”
藤島所長補佐から青森県田舎館村で行われている地域活性化のためのイベントについて発表しました。田舎館村では地元の特産品である米のPRのため日本で初めて田んぼアートの制作を行い、人気を集めています。その人気を別の形で利用する冬の田んぼアートによる冬季の誘客イベントにも発展し、地元を盛り上げる一助となっていることについて説明しました。
7.“Utilising Promotional Video to Boost Regional Recognition”
渡邉所長補佐からは、自治体が作成するプロモーションムービーを使ったPRについて発表をしました。地元の特産品(うどん)や名物(温泉)をテーマとしたもの、方言をテーマとしたものといった様々なプロモーションムービーについて説明し、その活用により地域の特徴等を伝える手段として用いられている事例を紹介しました。