2月4日(火)から5日(水)にかけて、佐々木所長補佐が、オーストラリアにおける多文化コミュニティに対する助成金事業の調査のため、メルボルンを訪問しました。
まず、ビクトリア州政府首相・内閣府多文化共生部を訪問し、助成金事業担当のLiz Lim氏より、州政府の州内多文化コミュニティに対する各種助成金事業の概要、運営体制、課題などについて話を伺いました。同部では、多くの多文化コミュニティに対する助成を行っており、途切れることなく常に何らかの助成金の申請者を募集しているとのことでした。オンライン申請などで審査事務の効率化に努めてはいるものの、システムが全ての書類等をチェックしてくれるわけではないため、よりよいシステムの導入が今後の課題とのことでした。
次に、メルボルン中心部から北西に約35キロに位置するメルトン市を訪問し、助成金事業担当のAlexandra Maggi氏からメルトン市の助成金事業について話を伺いました。同市のCommunity Partnership Programという助成金は、文化的、宗教的、社会的に異なる背景を持つ2つ以上のコミュニティが協働して行うプロジェクト等に対して助成するものであり、異なる背景を持つコミュニティ同士の理解の促進を目的としています。この助成金の特徴は、メルトン市の担当職員がコミュニティグループに対して、財政支援だけでなく、例えば、イベントの計画策定や開催に至るまで継続して支援を行うことです。こうしたサポートを通じてコミュニティ団体の能力向上に努めているとのことでした。
これら調査の詳細は、日本の地方自治体の多文化共生施策の参考となるよう、今後、クレアレポートとしてまとめ、その後、公表します。